2016年9月13日火曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(18)

建物内の壁塗りの状況です。
中塗りの前の準備をレポートします。

荒壁を塗った後、四方にのれんを打ちます。

チリ回りの割れを防ぐため、先に塗っていきます。

寒冷紗を張り、中塗りの前に下塗りをします。

下塗りが乾燥した後に、中塗りを行うことで、割れを防ぐことができます。



2016年9月6日火曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(17)

瓦葺きが始まりました。

瓦葺きの作業は、まず鼻先で糸を張り、通りを見ます。
なじませ土を置いて、不陸を調整します。

そのあと瓦棒に銅線を巻き、穴をあけた瓦と固定していきます。


この要領で一枚一枚瓦を屋根に葺いていきます。

2016年8月3日水曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(16 その2)

土壁塗りと並行して作業が進められている屋根場についてもレポートします。
屋根場では瓦葺きの準備が着々と進められています。

ルーフィング(防水シート)を張ったら、瓦職人が瓦桟を打ちます。
(瓦桟とは、瓦がずり落ちないように野地板の上に打ち付ける桟のことです。)
 

炎天下の中、屋根全体に瓦桟を打ち終え、これで瓦葺きの準備が完了しました!

大湫宿丸森邸修復状況レポート(16)

15回の現場レポートでお伝えした土壁塗りの続きをお伝えします。
まずは土壁用に練った土をポンプで圧送します。
 
職人さんが手作業で土壁を塗っていきます。

塗り終わると乾燥の期間に入ります。

2016年8月2日火曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(15)

建物の内部では土壁塗りの作業が始まりました。
土壁は、竹を編んだ格子が基となるので、まずは竹を縄で編む作業にかかります。
 
 こうして土壁を塗る準備が完了しました!
この格子の上に土を塗っていきますが、それは次回の現場レポートにてお伝えします。

2016年7月26日火曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(14)

今回は取り替え部材の色合わせの作業についてレポートします。
まずは工事の監理を行っている岩村でんでんけんさんと現場で作業をする大工さんで打ち合わせをします。
柱や野地板で新しい部材を入れるところについて、サンプルを作り、どの色が現在の建物に近いかを話し合います。


調整したサンプルを現場へ持っていき、色合わせができているか比較します。

新しい部材が現存する建物の部材と馴染んでいるか、使用した場合に違和感がないか、いろんな人に確認をしてもらって、色を決定していきます。


修復し終えたときに、どこが新しい部材で、どこが元からあるものか、目を凝らして見てみるのも楽しいかもしれないですね。

また同時進行で、8月11日(祝 木)に開催する第二回現場見学会の打ち合わせを進めています。皆さんにどこをみてもらうと楽しいか、工事の過程だから楽しめるところはどこかを考えて、企画しています。
お時間ある方はぜひお越しくださいね。

◇第二回 現場見学会
日時 8月11日(祝 木)
     午前の部 10:00~12:00
     午後の部 13:00~16:00
場所 大湫コミュニティーセンター
*工事現場を公開するため、ヘルメットを着用してもらいます。コミュニティーセンターでヘルメットを受け取った後に現場へお進みください。
*コミュニティーセンター内ホールでは、修復前の様子をみていただくため、写真のパネル展示を行っています。

2016年7月5日火曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(13)

引き続き構造的に弱かったところの補強作業を行っています。
下の二枚の写真の柱は、上部二か所で継いでありました。


柱が構造的に弱かったため、新しく継ぎなおします。

次の写真は、既存の継いである部材を取り外している状態です。


梁にサポートをしたり、ジャッキアップしながら慎重に進めていきます。

新しい部材で金輪継ぎをして、金物で補強しました。
簡単に説明をしましたが、作業としてはとても難しい作業でした。



2016年6月23日木曜日

大湫宿丸森邸現場修復レポート(12)


 
名古屋市立大学の溝口教授が現場で調査を行いました。


 
現場作業が進むにつれて構造的に弱い箇所が見つかり、文化財として修理するにはどのような工法が良いか、でんでんけんさんとともに検討を行っています。


歴史が分かりそうな釘の痕跡を調べ、丸森の歴史の変遷をたどります。



既存軒瓦の模様を再現した型を溝口教授とでんでんけんさんに確認していただいた後、瓦の作成にかかります。

2016年6月16日木曜日

大湫宿丸森邸現場修復レポート(11)

でんでんけんさんが取り外し部材を調査した後、転用できる材は再度取り付けします。取り外した部材には、腐食がひどく傷みが大きいものもあり、それらは新しい部材に取り替えることになります。




 大工さんが既存材料の継手部分の仕様を確認しています。

 当初と同じ継手を作り、既存部材と新材を合わせていきます。既存部材を利用して保存することが文化財の修復では重要です。








2016年6月14日火曜日

大湫宿丸森邸現場修復レポート(10)


引き続き内部の木工事を進めています。

大工さんが柱と柱の間に補強材(足固め)を入れて構造を補強しています。



 それぞれの箇所で構造的に弱いところは補強して、耐震化をしていきます。



2016年6月10日金曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(9)

5月の連休明けから木工事が本格的に始まりました!
金輪継ぎ加工状況.JPG
金輪継ぎの加工状況写真です。
腐食して柱が弱くなった箇所を切り取り、同じ材種で継ぎます。
金輪継ぎ完了.JPG
金輪継ぎの完了写真です。
床束と根絡み.JPG
足固めや大引きの下に床束と根絡みを新設します。
当初よりしっかりとした床下が出来上がります。
引き続き、木工事の作業を進めていきます。

2016年5月9日月曜日

第一回現場見学会を開催しました!

平成27年11月から着手した修復工事の進捗状況を皆さんに公開する「第一回現場見学会」が開催されました!
参加者は最初に大湫コミュニティーセンター内で市職員から説明を受け、その後現場へ移動し、工事の経過や状況を見学しました。
見学会は午前の部と午後の部の2回行われ、約130人に参加していただきました。
多くの皆様のご来場、ありがとうございました!
次回の現場見学会は、8月11日(木曜日 山の日)に予定していますので、丸森邸の変化の様子をぜひ見に来てくださいね。
丸森見学1  丸森見学2
丸森見学3  丸森見学4
丸森見学5  丸森見学6

2016年4月20日水曜日

第一回現場見学会のお知らせ

大湫宿にある国登録有形文化財「旧森川訓行家住宅(丸森)」は、観光案内所として活用するため、現在修復作業が進められています。貴重な文化財修復の状況を多くの方に見ていただく機会として現場見学会を開催しますので、ぜひお越しください。

日時

平成28年5月1日(日曜日)

午前の部

10時から12時まで

午後の部

13時から15時まで

受付

大湫コミュニティーセンター内(瑞浪市大湫町422-1)
開催時間内随時受付

会場

旧森川訓行家住宅(丸森邸)(瑞浪市大湫町445-2)

その他

  • 各回初めの20分間に簡単な説明を行います。
  • 駐車場は大湫コミュニティーセンター裏の旧大湫小学校グラウンドをご利用ください。
  • 当日はお休み処で五平餅の販売も行います。

2016年3月17日木曜日

丸森邸の情報をお寄せください

工事の中で調査を進めていますが、建物について歴史文献が残っておらず、出土品からも情報が得られていません。
このブログをご覧になっている方でご存知のことがあれば、瑞浪市役所商工課(0572-68-9805(平日のみ))または、瑞浪市教育委員会スポーツ文化課(0572-68-7710(月曜日以外))までお知らせください。

大湫宿丸森邸修復状況レポート(8)

調査状況を引き続きお知らせします。3月10日(火曜日)に再び文化財等の建物の専門家である溝口教授に現場を視察していただきました。いつの年代に復元するかを専門家の意見を伺いながら、検討します。
丸森現場視察
土間のたたきを調査している様子です。
丸森土間のたたき出土品が現れてきました。床下で囲炉裏跡と思われる場所を調査したところ、さまざまなものが出てきましたが、歴史分析できる貴重なものは出てこなかったようです。
丸森出土品引き続き調査活動を実施します。しばらくの間、工事はお休みです。

2016年3月7日月曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(7)

現場内の取り外し作業が終わり、調査が始まります。
床組みの実測調査状況です。床板を取り外し、巻尺で実測調査をしている様子です。
丸森床組実測調査
大湫地区内の方を対象に現場見学会を実施しました。大湫地区景観勉強会が始まる前に現場見学会を実施しました。見学者は「だいぶ様子が変わったね。」「かびの臭いがするな。」と今まで見えなかった箇所に関心をもって見学されました。
丸森現場見学会
取り外し部材の調査状況です。各部材毎をスケッチし、樹種や腐食状態などを調査しました。これは記録の目的に加え、部材をどこまで保存し既存利用するか、繕いまでで良いか、取替えが必要なのかを判断するために調査します。
丸森部材調査
森川家の歴史文献が少ないことから、部材を調査することにより年代を特定できる可能性があるため、この調査は非常に重要な意味があります。

2016年3月2日水曜日

大湫宿丸森邸修復状況レポート(6)

床板は、再び張り直すため大工さんが可能な限り傷つけないように慎重に外していきます。
丸森床板
床板を取り外した後、床組みが見えてきました。新築工事では見ないさまざまな形をした根太、大引き、束があり、時代を感じます。
丸森床組み
 根太も床板と同じように丁寧に取り外していきます。
丸森根太
根太を取り外し、大引きを残して再度調査をおこないます。主な解体作業を終え、これから本格的な調査期間に入ります。
丸森大引き